外国文学@ぶんぶん

外国文学紹介サイト!多くの本が読み捨てられる中、いつまでも心に残る小説を、感想を交えて紹介します♪
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「変身」カフカ
おすすめ度 ★★★★☆

あらすじ

朝、目を覚ますとむかでに似た巨大な虫に変身していたグレーゴルは、家族に疎外され、人間らしさを失っていく。
そして、父親に投げつけられたりんごが致命傷となり、文字通り虫ケラとして死ぬ。

感想

高校の時に読んだが、全く訳がわからなかった。
それもそのはず、解釈も多様、この作品に対する作者の言動もころころ変わるからだ。

しかし、今読むと引き込まれる。
特に、変身してから寝台を抜け出し、ドアを開けて家族に見つかるまでの描写は冷静で緻密で面白い!

外国文学とは、一文字一文字かくも無駄のないものなのだ。


なぜ変身したかは書いていない以上推測するしかない。

私には、仕事=自分=家族の稼ぎ頭という形式にうんざりしているグレーゴルが見受けられる。

仕事に追われた心は、部屋にこもって小さな額縁をこしらえるのが関の山。

変身は、変わらない自己などない、自己は変化し続けているし、変化し続けるべきだという心の叫びなのではないか。

しかし、彼の変身は誰にも受け入れられない。
周りは、今まで通り家族のため、奴隷のように働いてくれることを切望するのみ。

変身した虫の姿は、家族を絶望させる。それは働けないだけでなく、人間存在の不安定さをみせつけられるからではないだろうか?
変化し続ける人間が、永遠に存在し続けられるわけがない。
にもかかわらず、現代人は死を遠ざけ、変わらない自己を祭り上げて生きているのだ。

生が夢のようにはかないとしても、せめて自由に自分の意志で生きたいと望むゲレーゴルの心の叫びとしての変身。
この変身がもし、巨大な虫に過ぎなかったとしたら、生は本当に奇怪で醜悪な悪夢ということになるかもしれない。


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「シッダールタ」ヘッセ
                        おすすめ度 ★★★☆☆

あらすじ

釈尊ことシッダールタは、物理的に満たされた生に苦しみ、家を出る。
輪廻から抜け出すため、苦行を求めるが涅槃は得られない。
悩みと闘う中、ある時川の声を聞いた。
それは現象の流れ、生命の音楽であり、時間を超越した彼はたちまち全てを悟る。

感想

比較的短いし、読みやすい外国文学。
仏陀・仏教に興味のある自分にとっては象徴とも言える一冊。

文章、話す言葉が美しく、なかなか表現しにくい宗教体験をなんとか形にしようという執念が見える。

がしかし、どこまで行っても芸術。
一生をかけて求道しても得られるかわからない悟りを、うやむやな神秘体験とすりかえられるのはちょっと……。

なにはともあれ、友ゴーヴィンダとの会話などから、人間くさい仏陀を感じることができる。

私は、ドイツ人が仏陀について真正面から書いたというだけでそそられる。
仏陀・仏教に興味を持っている人におすすめ!


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